専門家の回答
平岡先生(山階鳥研)
平岡先生から回答がありましたので掲載します(事務局)
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珍鳥の島、舳倉島で探鳥されているのですね。うらやましいですね。
さてお示しの画像の鳥は、ツグミそのものでよろしいでしょう。
状況を推察するに遠かった上に、早朝なのか夕方なのかわかりませんが、画面の右側から射し込んできている低い太陽光線の当たった部分が橙色みを帯びているのも判断を難しくさせていそうです(たとえば、左下の画像、鳥の左奥の岩の日の当たった部分を見ると明らかに橙色を帯びていて、画像全体が橙色が強調されているだろうと推測できます)。
こういう遠い画像では特に体型あるいはプロポーションというべきかもしれませんが、それが重要です。質問のタイトルでも書かれているとおり、この鳥は典型的なツグミ類の形をしています。
各部の色彩を見てみると、体の上面は褐色で、体の下面は白く、分かりづらいですが、胸や腹には点々があって(これは上の写真で多少ともわかりやすいでしょう)、かつ、たたんだ翼の翼角(用語は図鑑類の巻頭などにあると思いますので見てくださいね)が当たるあたりの胸側の斑が密で色が濃い感じになっています。
顔は耳羽が暗色で、白くて太い眉斑があり、喉は白く、その白が耳羽の後ろを回り込むように後頸の方向に伸びていまます。これらの羽色の特徴はひとつひとつ図鑑で確かめていただければツグミと矛盾がないことがおわかりと思います。
嘴と足がとても鮮やかな橙色に見えるのは上に指摘したように、朝か夕方かわかりませんが、低い太陽光線がそう見せているというので説明がつくでしょう(その証拠に、右下の画像では足に太陽が当たっていないらしくごく目立たない色です)。
名前が出ているムクドリは、体型が異なります。ムクドリはこんなに胸を張った体型はしていなくて、胸はすんなりしていて、もっとお尻のほうに重心があるような形をしています。羽色も体上面が褐色、胸から腹が白っぽくて細かい暗色の点々というのはムクドリにあいません。またムクドリだと腰に白色がないとおかしいです。顔のパターンがもツグミで問題ないと思いますが、ことによると、ムクドリという見立ては、この鳥の白い眉斑を、ムクドリの頬~耳羽の白色部とお考えになったのかなと思いました。失礼してお示しの画像を切り出させていただいて、無理に拡大したものに書き込みをさせていただきましたが、この鳥の頭のすぐ下にある白色部は頬~耳羽ではなくて眉斑です。眉斑の下に目があります。
顔の見え方だけで言いますと、本サイトに掲載の写真図鑑の写真では下記『新版日本の野鳥』のp. 545下段の(6)の写真の顔の見え方がよく似ていて参考になるかと思います。
『新版日本の野鳥』(山と溪谷社)p. 545 写真(6)
https://i-zukan.jp/contents/20/viewer?genre=1&page=545
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珍鳥の島、舳倉島で探鳥されているのですね。うらやましいですね。
さてお示しの画像の鳥は、ツグミそのものでよろしいでしょう。
状況を推察するに遠かった上に、早朝なのか夕方なのかわかりませんが、画面の右側から射し込んできている低い太陽光線の当たった部分が橙色みを帯びているのも判断を難しくさせていそうです(たとえば、左下の画像、鳥の左奥の岩の日の当たった部分を見ると明らかに橙色を帯びていて、画像全体が橙色が強調されているだろうと推測できます)。
こういう遠い画像では特に体型あるいはプロポーションというべきかもしれませんが、それが重要です。質問のタイトルでも書かれているとおり、この鳥は典型的なツグミ類の形をしています。
各部の色彩を見てみると、体の上面は褐色で、体の下面は白く、分かりづらいですが、胸や腹には点々があって(これは上の写真で多少ともわかりやすいでしょう)、かつ、たたんだ翼の翼角(用語は図鑑類の巻頭などにあると思いますので見てくださいね)が当たるあたりの胸側の斑が密で色が濃い感じになっています。
顔は耳羽が暗色で、白くて太い眉斑があり、喉は白く、その白が耳羽の後ろを回り込むように後頸の方向に伸びていまます。これらの羽色の特徴はひとつひとつ図鑑で確かめていただければツグミと矛盾がないことがおわかりと思います。
嘴と足がとても鮮やかな橙色に見えるのは上に指摘したように、朝か夕方かわかりませんが、低い太陽光線がそう見せているというので説明がつくでしょう(その証拠に、右下の画像では足に太陽が当たっていないらしくごく目立たない色です)。
名前が出ているムクドリは、体型が異なります。ムクドリはこんなに胸を張った体型はしていなくて、胸はすんなりしていて、もっとお尻のほうに重心があるような形をしています。羽色も体上面が褐色、胸から腹が白っぽくて細かい暗色の点々というのはムクドリにあいません。またムクドリだと腰に白色がないとおかしいです。顔のパターンがもツグミで問題ないと思いますが、ことによると、ムクドリという見立ては、この鳥の白い眉斑を、ムクドリの頬~耳羽の白色部とお考えになったのかなと思いました。失礼してお示しの画像を切り出させていただいて、無理に拡大したものに書き込みをさせていただきましたが、この鳥の頭のすぐ下にある白色部は頬~耳羽ではなくて眉斑です。眉斑の下に目があります。
顔の見え方だけで言いますと、本サイトに掲載の写真図鑑の写真では下記『新版日本の野鳥』のp. 545下段の(6)の写真の顔の見え方がよく似ていて参考になるかと思います。
『新版日本の野鳥』(山と溪谷社)p. 545 写真(6)
https://i-zukan.jp/contents/20/viewer?genre=1&page=545
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回答日2018年05月03日
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