専門家の回答
平岡先生(山階鳥研)
この鳥はコサメビタキだと思います。白と灰色の羽色、目がぱっちりとしていて、目の回りが幅広く白く、目先も広く白く、コサメビタキによくあいます。さらに、注目していただきたい特徴として、足が短く、下から見た嘴は基部の広い三角形に見えることがあります(嘴の形がわかりやすいように、失礼して、お示しの画像の頭部を切り出させていただきましたのでご覧ください)。この、短い足と、嘴は横から見ると細く見えるが、上下方向から見ると基部の広い三角形をしているのは、コサメビタキなどやキビタキなど、飛翔性の昆虫を空中で捕食する習性のあるヒタキ類の特徴です。この嘴の特徴を図示してあるもので手軽に見られるものが意外に少ないですが、下記の「原色日本野鳥生態図鑑ー陸鳥編」p. 70のヒタキ科の解説にスケッチがあります。ジョウビタキなど地上採食性のヒタキ類(いわゆる「小型ツグミ類」)やウグイスの仲間の鳥(ここで描かれているキクイタダキは現在、ウグイスの仲間と近縁とは考えられていませんが、嘴の形の模式図としてはウグイスの仲間もこういう印象という理解でよろしいでしょう)との違いが描かれています。写真のコサメビタキの嘴は斜め下から見ていることもあって、この図とは印象が違って感じられるかもしれませんが、傾向として、基部が広いのはご理解いただけるかと思います。嘴以外に足も、ウグイスの仲間やいわゆる「小型ツグミ類」はもっと長いです。
★ヒタキ科の記述
https://i-zukan.jp/contents/34/viewer
※野鳥コースの有料会員、無料トライアル中の方はご覧になれます。
さらに下嘴の基部が橙黄色なのもコサメビタキによくあいます。大きさがメジロ大に見えたということですが、メジロの全長12cm、コサメビタキの全長13cmと図鑑にありますので、この点からもコサメビタキで矛盾はありません。
コサメビタキは九州以北で繁殖し、東南アジア方面で越冬します。沖縄では繁殖地と越冬地のあいだの渡り途上に見られる通過鳥ですので、10月という観察時期も問題ないですね。
このあたりのことを念頭に置いて図鑑をご覧になってみてください。
★ヒタキ科の記述
https://i-zukan.jp/contents/34/viewer
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さらに下嘴の基部が橙黄色なのもコサメビタキによくあいます。大きさがメジロ大に見えたということですが、メジロの全長12cm、コサメビタキの全長13cmと図鑑にありますので、この点からもコサメビタキで矛盾はありません。
コサメビタキは九州以北で繁殖し、東南アジア方面で越冬します。沖縄では繁殖地と越冬地のあいだの渡り途上に見られる通過鳥ですので、10月という観察時期も問題ないですね。
このあたりのことを念頭に置いて図鑑をご覧になってみてください。
回答日2019年01月22日
つぶ
平岡先生
大変分かりやすい解説をありがとうございます。
図鑑での再確認を楽しむことができました!
大変分かりやすい解説をありがとうございます。
図鑑での再確認を楽しむことができました!
回答日2019年02月10日
回答