家の前で拾いました
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推察される和名 | 指定されていません |
自信度 | |
撮影場所 | 埼玉県 / さいたま市大宮区三橋 |
撮影日時 | 2018-12-16 |
はじめまして。
家の前で落ちていて震えていたので、家に持ち帰り、ペットボトルにお湯を入れて温めましたが、残念ながら亡くなってしまいました。
体調は手の平の半分ほどで、少し緑がかった色でした。
家の前で落ちていて震えていたので、家に持ち帰り、ペットボトルにお湯を入れて温めましたが、残念ながら亡くなってしまいました。
体調は手の平の半分ほどで、少し緑がかった色でした。
ハラボー
投稿日 | 2018年12月19日 |
最終更新日 | 2019年03月05日 |
閲覧数 | 2,645 Views |
専門家の回答
平岡先生(山階鳥研)
平岡先生(山階鳥類研究所)から回答がありましたので掲載します(事務局)
****
お家の前で落ちていた鳥を介抱したけれど死んでしまったのですね。残念でした。
さて、これはウグイスです。上面が全体に緑から褐色系で、嘴は尖り、淡色の眉斑があり、体の下面は淡くて、ウグイス科、ムシクイ科といった仲間であることが推測されます。このうち、ムシクイ科の仲間は体との比で尾がこんなに長くなく、この体と尾のプロポーションはウグイスによく合います。色彩が沈んだオリーブ褐色で、眉斑があまりぱっちり白く目立たないといったところもウグイスによく合います。もう一つの理由は季節と分布で、ウグイス科、ムシクイ科の中で、関東地方で冬に普通に見られるのはウグイス1種です。
以下はあくまで参考です。捕獲した鳥や鳥類標本が手元にあってよく似た種のどれかを識別したい場合、研究者や博物館学芸員、標識調査の従事者といった人たちがどんなことをするかをちょっとお話しします。こういう場合、まず行う基本的なことは、翼長など各部位の測定ですが、今回写真での検討ですのでそれはできません。測定以外に何をするかですが、翼式という、初列風切の各羽の長短の関係を調べる方法が役立つことがあります。それから、ウグイス科やムシクイ科を含めて、多くのスズメ目の鳥で、初列風切のどの羽毛に、「外弁の欠刻」があるかが種ごとに異なり、識別の助けになることが知られています。外弁の欠刻とは、羽毛の外弁の幅が羽毛の基部では広く、先端では狭く、両者の間に段差がある状態を言います。たとえば互いによく似ている、ムシクイ科のセンダイムシクイ、エゾムシクイ、メボソムシクイは初列風切の翼式と外弁の欠刻を調べることで区別できます。お示しの写真はうまい具合に翼が少し開いていて特徴がわかりやすいので、初列風切の外弁欠刻と翼式を調べてみました。失礼して写真をトリミングさせていただき書込みしましたが、外弁の欠刻が、初列風切の外側から、4、5、6枚目(写真のIV、V、VI)にあるのがわかります。初列風切の長短の関係は、V>VI≒IV>VII≒III>IX>X>II>I と表せます(一番内側の初列風切Xは写真では見えません)。これらの特徴は、専門的な図鑑(山階芳麿(1941)「日本の鳥類と其の生態」第2巻.岩波書店.を参照しました)に記述してあるウグイスの翼の特徴と矛盾しません。実際には、ウグイスの初列風切外弁の欠刻は、外側から3、4、5、6枚目(写真のIII、IV、V、VI)にあるのですが、この写真では3枚目の欠刻はみえません。これは、本来3枚目の下に重なっているべき2枚目が乱れて3枚目を覆っており、3枚目の外弁が見えないためです。ですが4、5、6枚目の欠刻の並びから3枚目の外弁にも欠刻があることが推測できます。これらの観察から、冒頭に書いた体と尾のプロポーションなどからのウグイスという判断が裏付けられます。
※ 2月26日に掲載していただいた回答に一部間違いがありました。申し訳ありませんでした。解説文を訂正し、写真を差し替えました。(3月1日、平岡)
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お家の前で落ちていた鳥を介抱したけれど死んでしまったのですね。残念でした。
さて、これはウグイスです。上面が全体に緑から褐色系で、嘴は尖り、淡色の眉斑があり、体の下面は淡くて、ウグイス科、ムシクイ科といった仲間であることが推測されます。このうち、ムシクイ科の仲間は体との比で尾がこんなに長くなく、この体と尾のプロポーションはウグイスによく合います。色彩が沈んだオリーブ褐色で、眉斑があまりぱっちり白く目立たないといったところもウグイスによく合います。もう一つの理由は季節と分布で、ウグイス科、ムシクイ科の中で、関東地方で冬に普通に見られるのはウグイス1種です。
以下はあくまで参考です。捕獲した鳥や鳥類標本が手元にあってよく似た種のどれかを識別したい場合、研究者や博物館学芸員、標識調査の従事者といった人たちがどんなことをするかをちょっとお話しします。こういう場合、まず行う基本的なことは、翼長など各部位の測定ですが、今回写真での検討ですのでそれはできません。測定以外に何をするかですが、翼式という、初列風切の各羽の長短の関係を調べる方法が役立つことがあります。それから、ウグイス科やムシクイ科を含めて、多くのスズメ目の鳥で、初列風切のどの羽毛に、「外弁の欠刻」があるかが種ごとに異なり、識別の助けになることが知られています。外弁の欠刻とは、羽毛の外弁の幅が羽毛の基部では広く、先端では狭く、両者の間に段差がある状態を言います。たとえば互いによく似ている、ムシクイ科のセンダイムシクイ、エゾムシクイ、メボソムシクイは初列風切の翼式と外弁の欠刻を調べることで区別できます。お示しの写真はうまい具合に翼が少し開いていて特徴がわかりやすいので、初列風切の外弁欠刻と翼式を調べてみました。失礼して写真をトリミングさせていただき書込みしましたが、外弁の欠刻が、初列風切の外側から、4、5、6枚目(写真のIV、V、VI)にあるのがわかります。初列風切の長短の関係は、V>VI≒IV>VII≒III>IX>X>II>I と表せます(一番内側の初列風切Xは写真では見えません)。これらの特徴は、専門的な図鑑(山階芳麿(1941)「日本の鳥類と其の生態」第2巻.岩波書店.を参照しました)に記述してあるウグイスの翼の特徴と矛盾しません。実際には、ウグイスの初列風切外弁の欠刻は、外側から3、4、5、6枚目(写真のIII、IV、V、VI)にあるのですが、この写真では3枚目の欠刻はみえません。これは、本来3枚目の下に重なっているべき2枚目が乱れて3枚目を覆っており、3枚目の外弁が見えないためです。ですが4、5、6枚目の欠刻の並びから3枚目の外弁にも欠刻があることが推測できます。これらの観察から、冒頭に書いた体と尾のプロポーションなどからのウグイスという判断が裏付けられます。
※ 2月26日に掲載していただいた回答に一部間違いがありました。申し訳ありませんでした。解説文を訂正し、写真を差し替えました。(3月1日、平岡)
回答日2019年02月26日
回答