専門家の回答
平岡先生(山階鳥研)
【ぜんぶ答えますキャンペーン野鳥編】
平岡先生からの回答が届きましたので投稿します(事務局)
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おっしゃるとおりオオジュリンでよいです。嘴が太くて寸詰まり、やや長めの尾、背中は褐色に縦斑、体の下面には縦斑がたくさんはない、喉の両脇の顎線がくろぐろとしている、小豆色っぽい褐色の脚、ヨシ原でヨシの鞘をぱりぱりと割っている(中のカイガラムシを食べるのだそうです)といった点が目のつけどころです。オオジュリンのオスは、夏羽では頭部が頭巾状に真っ黒ですが、この黒い頭巾は、地味な冬羽が生え替わるわけではなく、同じ羽毛のまますり切れることで現れてきます。秋に夏羽から冬羽になるときに、頭の羽が地味な色に生え替わるのですが、このときにそれぞれの羽の先端は褐色や白なのにオスだけ基部に黒が仕込まれているのです。その仕込まれた黒が、春になると摩耗によってだんだん表に出てくるのです。この写真の鳥は、図鑑の典型的な冬羽から羽毛の摩耗が少し進んで、夏羽のイメージが少し出てきたオスですね。
平岡先生からの回答が届きましたので投稿します(事務局)
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おっしゃるとおりオオジュリンでよいです。嘴が太くて寸詰まり、やや長めの尾、背中は褐色に縦斑、体の下面には縦斑がたくさんはない、喉の両脇の顎線がくろぐろとしている、小豆色っぽい褐色の脚、ヨシ原でヨシの鞘をぱりぱりと割っている(中のカイガラムシを食べるのだそうです)といった点が目のつけどころです。オオジュリンのオスは、夏羽では頭部が頭巾状に真っ黒ですが、この黒い頭巾は、地味な冬羽が生え替わるわけではなく、同じ羽毛のまますり切れることで現れてきます。秋に夏羽から冬羽になるときに、頭の羽が地味な色に生え替わるのですが、このときにそれぞれの羽の先端は褐色や白なのにオスだけ基部に黒が仕込まれているのです。その仕込まれた黒が、春になると摩耗によってだんだん表に出てくるのです。この写真の鳥は、図鑑の典型的な冬羽から羽毛の摩耗が少し進んで、夏羽のイメージが少し出てきたオスですね。
回答日2017年09月07日
けんたろう
平岡先生
御礼が遅くなってしまい申し訳ありません。
ご教示ありがとうございます。詳細なご説明に感激しました。
教えていただいてはっとしたのが、夏羽に換羽するわけではなくあらかじめ仕込んであるという点です。夏羽は繁殖でメスにアピールするために必要なものだと思いますが、つまり摩耗して目立ってくるのを見越して(というと語弊がありますが)用意されているというのが驚きでした。名前を知っている鳥でも知らないことはたくさんありますね。
改めて御礼を申し上げます。
御礼が遅くなってしまい申し訳ありません。
ご教示ありがとうございます。詳細なご説明に感激しました。
教えていただいてはっとしたのが、夏羽に換羽するわけではなくあらかじめ仕込んであるという点です。夏羽は繁殖でメスにアピールするために必要なものだと思いますが、つまり摩耗して目立ってくるのを見越して(というと語弊がありますが)用意されているというのが驚きでした。名前を知っている鳥でも知らないことはたくさんありますね。
改めて御礼を申し上げます。
回答日2017年09月11日
回答