ジシギの名前を教えてください
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推察される和名 | 指定されていません |
自信度 | |
撮影場所 | 神奈川県 / 平塚市 |
撮影日時 | 2017-09-05 |
田んぼの畔で採餌していました。
おそらくチュウジシギだと思うのですが、尾羽を広げてくれず、確証が持てません。
尾羽以外に識別点があれば教えてください。
おそらくチュウジシギだと思うのですが、尾羽を広げてくれず、確証が持てません。
尾羽以外に識別点があれば教えてください。
CHUNTA
投稿日 | 2017年09月10日 |
最終更新日 | 2019年03月04日 |
閲覧数 | 7,761 Views |
専門家の回答
平岡先生(山階鳥研)
【ぜんぶ答えますキャンペーン野鳥編】
平岡先生からの回答が届きましたので投稿します(事務局)
****
この鳥は私は種名まではわかりません。おっしゃるとおり、シギの仲間で、くちばしが不釣り合いなほどに長く、褐色、黒、クリーム色などからなる複雑な模様の羽色、白っぽい顔に暗色の過眼線とその下にもう一本暗色線があること等からいわゆる「ジシギ」の仲間、つまりタシギ、オオジシギ、チュウジシギ、ハリオシギなどの仲間であることがわかります。タシギだとくちばしがもっと長いことから、タシギは除外できると思いますが、それ以上の識別は私には難しいです。
念のため、ジシギ類の識別に熱心に取り組んでいる研究者に聞いてみたところ、体の後半が寸詰まりな感じ、雨覆が黒っぽいこと、三列風切の黒斑のようす、頭側線がべったりと黒いこと等を総合するとチュウジシギの可能性が高いと思うがいずれも変異などもあり、この写真だけから断言するのは難しいということでした。
鳥の識別点には、ある斑があるかないかといった、見れば一目瞭然のポイントと、ほかの種よりこの部分の色が濃い傾向があるといった程度の違いで表現されるポイントがあります。後者の、程度の違いから判断される識別点で間違いなく識別できるようになればかっこいいわけですが、それを会得するためには、そういう特徴を見るたびに、前者の一目瞭然の識別点で答え合わせをするしかありません。ジシギ類の難しいところは、一目瞭然の特徴がほとんど尾羽の形態に限られることで、たまたま広げたチャンスに尾羽を観察撮影できたという比較的稀な場合を除いて、答え合わせをするチャンスがほぼないことにあります。
その結果、程度の違いで表現されるたぐいのいろいろな識別点が言われているけれど本当かどうかわからないし、自分がそれを会得できたかもわからないということになるわけです。私の意見としては、納得がゆかないのに無理に種名を言うよりも、「ジシギ類sp.」などと記録するほうがよいと思います(sp.は、species(種)の略で、複数種からなるグループのなかの1種であることをいう用語です。「シギ科sp.」「タシギ属sp.」「Gallinago sp.」などと使いますが、「タシギsp.」という言い方は誤りです)。そして平行して、プロポーションや羽色の特徴をよく観察すると同時に、おっしゃるように尾羽を見て、一目瞭然の識別点を押さえる努力を継続されるしかないと思います。
平岡先生からの回答が届きましたので投稿します(事務局)
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この鳥は私は種名まではわかりません。おっしゃるとおり、シギの仲間で、くちばしが不釣り合いなほどに長く、褐色、黒、クリーム色などからなる複雑な模様の羽色、白っぽい顔に暗色の過眼線とその下にもう一本暗色線があること等からいわゆる「ジシギ」の仲間、つまりタシギ、オオジシギ、チュウジシギ、ハリオシギなどの仲間であることがわかります。タシギだとくちばしがもっと長いことから、タシギは除外できると思いますが、それ以上の識別は私には難しいです。
念のため、ジシギ類の識別に熱心に取り組んでいる研究者に聞いてみたところ、体の後半が寸詰まりな感じ、雨覆が黒っぽいこと、三列風切の黒斑のようす、頭側線がべったりと黒いこと等を総合するとチュウジシギの可能性が高いと思うがいずれも変異などもあり、この写真だけから断言するのは難しいということでした。
鳥の識別点には、ある斑があるかないかといった、見れば一目瞭然のポイントと、ほかの種よりこの部分の色が濃い傾向があるといった程度の違いで表現されるポイントがあります。後者の、程度の違いから判断される識別点で間違いなく識別できるようになればかっこいいわけですが、それを会得するためには、そういう特徴を見るたびに、前者の一目瞭然の識別点で答え合わせをするしかありません。ジシギ類の難しいところは、一目瞭然の特徴がほとんど尾羽の形態に限られることで、たまたま広げたチャンスに尾羽を観察撮影できたという比較的稀な場合を除いて、答え合わせをするチャンスがほぼないことにあります。
その結果、程度の違いで表現されるたぐいのいろいろな識別点が言われているけれど本当かどうかわからないし、自分がそれを会得できたかもわからないということになるわけです。私の意見としては、納得がゆかないのに無理に種名を言うよりも、「ジシギ類sp.」などと記録するほうがよいと思います(sp.は、species(種)の略で、複数種からなるグループのなかの1種であることをいう用語です。「シギ科sp.」「タシギ属sp.」「Gallinago sp.」などと使いますが、「タシギsp.」という言い方は誤りです)。そして平行して、プロポーションや羽色の特徴をよく観察すると同時に、おっしゃるように尾羽を見て、一目瞭然の識別点を押さえる努力を継続されるしかないと思います。
回答日2017年09月21日
CHUNTA
お送りした画像の中に明確な識別点がない中で、最大限のご回答を下さりありがとうございました。
種類の識別に至るまでのアプローチの仕方からご教授いただき、またジシギ類の識別に熱心に取り組んでられる研究者の方にもご協力いただき、大変参考になりました。
この種と断定することの難しさもよく理解できました。やはり決定打の尾羽を押さえない限り無責任に断定するべきではないのですね。
じつは最近の知見ではここがこうなっているとチュウジシギで…のような都合の良い識別点はないかなと淡い期待をしておりましたが、考えが甘かったですね。
どなたかがそれ以外の識別法を見つけてくれることに期待しつつ、いつの日か尾羽を見なくてもドヤ顔で識別できるように地道にジシギの観察を重ねて行きたいと思います。
先生(ご協力いただいた方々も含めまして)の貴重なお時間を費やしてご回答いただいたことを重ねて御礼申し上げます。
種類の識別に至るまでのアプローチの仕方からご教授いただき、またジシギ類の識別に熱心に取り組んでられる研究者の方にもご協力いただき、大変参考になりました。
この種と断定することの難しさもよく理解できました。やはり決定打の尾羽を押さえない限り無責任に断定するべきではないのですね。
じつは最近の知見ではここがこうなっているとチュウジシギで…のような都合の良い識別点はないかなと淡い期待をしておりましたが、考えが甘かったですね。
どなたかがそれ以外の識別法を見つけてくれることに期待しつつ、いつの日か尾羽を見なくてもドヤ顔で識別できるように地道にジシギの観察を重ねて行きたいと思います。
先生(ご協力いただいた方々も含めまして)の貴重なお時間を費やしてご回答いただいたことを重ねて御礼申し上げます。
回答日2017年09月22日
回答