オナガ?
いいね!6件
いいね!
推察される和名 | 指定されていません |
自信度 | |
撮影場所 | 鹿児島県 / 鹿児島にしてますが、正式な撮影場所は上海の山です。 |
撮影日時 |
オナガに似てますが、羽が黒いです。
カラス科?ビタキ科?
カラス科?ビタキ科?
Nei
投稿日 | 2018年03月28日 |
最終更新日 | 2019年03月05日 |
閲覧数 | 3,892 Views |
専門家の回答
平岡先生(山階鳥研)
平岡先生からコメントがありましたので、掲載いたします。(事務局)
***
追加の画像をお送りいただいていましたが、回答が遅くなり申し訳ありません。
同定ですが、この鳥は学名Heterophasia desgodinsi、英名Black-hooded Sibiaというチメドリ科の鳥だと思います。和名はしっかりした印刷物のリストに掲載してあるものがあるか不明ですが、ネット上の「世界鳥類名勉強会」ではクロガシラウタイチメドリとされています。
頭部が頭巾状に黒く、翼と尾の上面は黒く見え、上背は灰色、喉は白く、体下面は淡色で脇はややよごれて見えるといったところが特徴です。最初お示しいただいたコマでは尾の様子がわかりませんでしたが、たたんだ尾の裏側が白く見え、尾羽が外に向かうにつれて短くなっているのもわかり、本種の特徴によくあっていることがわかりました。
本種の分類と和名ですが、従来の図鑑("A Field Guide to the Birds of China"(MacKinnon and Phillips、2000)では、タイ西部、ラオス、ミャンマーとベトナム、中国南西部に分布することになっていて、それがシロクロウタイチメドリ(学名 Heterophasia melanoleuca、英名 Black-headed Sibia)となっています。近年は分類が変わって、従来の1種を2種に分割しているようです(ハワードとムーアのチェックリスト第4版)。つまり、上の分布域のうち、タイ西部、ラオス、ミャンマーとベトナムに分布する上背が暗色のものが、学名H. melanoleuca 英名 Black-headed Sibia、ベトナム、中国南西部に生息する上背が明るめの灰色のもの(おたずねの個体もこちらです)を、学名H. desgodinsi、英名Black-hooded Sibiaというふうになっています。この場合和名をどうするかが問題となりますが、ネット上に世界の鳥の和名のリストを公開している「世界鳥類名勉強会」では、前者をシロクロウタイチメドリ、後者をクロガシラウタイチメドリとしています。
このことを説明した上でもうひとつ気になることをお話ししますが、この種は、上海には分布していません。近年の分類で中国に分布しているほうの、Heterophasia desgodinsi (クロガシラウタイチメドリ)の分布として知られているのは下記リンクの地図にある範囲です。
http://datazone.birdlife.org/species/factsheet/black-headed-sibia-heterophasia-desgodinsi/distribution
ご覧のように本種の分布は上海からははるかに離れています。この点は非常に不可解な点です。比較的はっきりした羽色の鳥で、図鑑を見ても類似の近縁種がいなさそうなので、同定が間違っている可能性はごく低いと思います。上記の地図でも上海周辺に移入分布があるという表示はありません(もしあれば上海周辺に移入分布を示すオレンジ色が描かれているはずです)。念のため追加の画像をお送りいただけるようお願いしたのはこの点で慎重になる必要があると考えたためです。この点で何かご存じのことがありましたらご教示いただければ幸いです。
***
追加の画像をお送りいただいていましたが、回答が遅くなり申し訳ありません。
同定ですが、この鳥は学名Heterophasia desgodinsi、英名Black-hooded Sibiaというチメドリ科の鳥だと思います。和名はしっかりした印刷物のリストに掲載してあるものがあるか不明ですが、ネット上の「世界鳥類名勉強会」ではクロガシラウタイチメドリとされています。
頭部が頭巾状に黒く、翼と尾の上面は黒く見え、上背は灰色、喉は白く、体下面は淡色で脇はややよごれて見えるといったところが特徴です。最初お示しいただいたコマでは尾の様子がわかりませんでしたが、たたんだ尾の裏側が白く見え、尾羽が外に向かうにつれて短くなっているのもわかり、本種の特徴によくあっていることがわかりました。
本種の分類と和名ですが、従来の図鑑("A Field Guide to the Birds of China"(MacKinnon and Phillips、2000)では、タイ西部、ラオス、ミャンマーとベトナム、中国南西部に分布することになっていて、それがシロクロウタイチメドリ(学名 Heterophasia melanoleuca、英名 Black-headed Sibia)となっています。近年は分類が変わって、従来の1種を2種に分割しているようです(ハワードとムーアのチェックリスト第4版)。つまり、上の分布域のうち、タイ西部、ラオス、ミャンマーとベトナムに分布する上背が暗色のものが、学名H. melanoleuca 英名 Black-headed Sibia、ベトナム、中国南西部に生息する上背が明るめの灰色のもの(おたずねの個体もこちらです)を、学名H. desgodinsi、英名Black-hooded Sibiaというふうになっています。この場合和名をどうするかが問題となりますが、ネット上に世界の鳥の和名のリストを公開している「世界鳥類名勉強会」では、前者をシロクロウタイチメドリ、後者をクロガシラウタイチメドリとしています。
このことを説明した上でもうひとつ気になることをお話ししますが、この種は、上海には分布していません。近年の分類で中国に分布しているほうの、Heterophasia desgodinsi (クロガシラウタイチメドリ)の分布として知られているのは下記リンクの地図にある範囲です。
http://datazone.birdlife.org/species/factsheet/black-headed-sibia-heterophasia-desgodinsi/distribution
ご覧のように本種の分布は上海からははるかに離れています。この点は非常に不可解な点です。比較的はっきりした羽色の鳥で、図鑑を見ても類似の近縁種がいなさそうなので、同定が間違っている可能性はごく低いと思います。上記の地図でも上海周辺に移入分布があるという表示はありません(もしあれば上海周辺に移入分布を示すオレンジ色が描かれているはずです)。念のため追加の画像をお送りいただけるようお願いしたのはこの点で慎重になる必要があると考えたためです。この点で何かご存じのことがありましたらご教示いただければ幸いです。
回答日2018年10月29日
回答