専門家の回答
平岡先生(山階鳥研)
平岡先生(山階鳥類研究所)から回答がありましたので掲載します(事務局)
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お示しの画像の鳥はホオジロの雄でよろしいと思います。
あとで説明するとおり、頭を向こうに向けているので一部の特徴がわかりづらいですが、全体に褐色を基調とした鳥で、くちばしは基部が太い三角形(ピンセットにたとえるような細長いくちばしではない)で、尾が長めということでホオジロ科だろうということが推測できます。
失礼して頭部と尾の部分を切り出させていただきましたが、このうち尾のほうを見てください。
この尾の部分はレベルを調整(色はいじらずに明るさだけを調整)させていただきましたが、たたんだ尾を下からみたとき、外側の尾羽が白いのがおわかりと思います。これもホオジロ科の特徴です(たとえば、「フィールドガイド日本の野鳥」(日本野鳥の会)には、「嘴は円錐形で、・・・外側尾羽に白色部がある種が多い」とあります。この図鑑のように、科ごとの簡単な解説がついている図鑑をぜひ一冊手元に置かれることをお勧めします)。
ホオジロ科まで絞れれば、体の下面が、一様で明瞭な斑のない茶褐色という一点でホオジロに絞り込めるのですが、それだけでは疑問に感じられている点が解消しないかもしれません。
そこで問題の頭部ですが、切り出した画像の頭のほうをご覧ください。この鳥は体はおおむね画面と平行(体の軸は我々の視線とほぼ直角をなす)なのに、頭は向こうを向いているということがおわかりでしょうか?顔をそむけて後頭部が多く見えています。目の位置は画像からはわかりづらいですが、推測するに画像で示した矢印1のあたりにあるのだと思います。
このように、頭全体を後ろから見ていることを念頭に特徴を順に見てゆくとホオジロの雄で矛盾がないことはわかると思います。
つまり、頭頂から後頸が暗褐色、白い眉斑、黒い耳羽、白い亜頬線が見えます(その下の黒い顎線は頭の角度から見えていないのだろうとわかります)。これらはホオジロの雄と矛盾しないことがおわかりでしょう。耳羽の後ろの頸側に幅広い灰色部分があること(矢印2)が普段見るホオジロで見慣れないとお感じかもしれません。しかし、頸側に襟巻きのように灰色の羽毛があるのはホオジロの雄の特徴です。頭を向こうに向けているために、この灰色の部分が広く見えているのだと思います。
さらにくちばしが灰色で、足が肉色であること、たたんだ翼の小雨覆の部分の灰色が見えること(矢印3)もこの鳥がホオジロであることを支持しています。
下記リンクの「新訂 日本の鳥550」(文一総合出版)p. 357の写真(1)で、ホオジロ雄の頸側に襟巻き状に灰色の部分があること、また写真(3)で、小雨覆が灰色であることがおわかりと思います。
https://i-zukan.jp/contents/6/viewer?genre=1&page=358
ちなみにこの個体の写真はこの1コマだけなのでしょうか?
識別に迷うような鳥の同定ではなるべくいろいろな角度から撮影した複数コマがあることで答えが得やすいことをぜひ覚えておいてください。
この鳥も別の角度からのカットがあればおそらく難しくない可能性が高いです。もし追加の画像をお持ちでしたらぜひ見せていただければうれしいです。
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お示しの画像の鳥はホオジロの雄でよろしいと思います。
あとで説明するとおり、頭を向こうに向けているので一部の特徴がわかりづらいですが、全体に褐色を基調とした鳥で、くちばしは基部が太い三角形(ピンセットにたとえるような細長いくちばしではない)で、尾が長めということでホオジロ科だろうということが推測できます。
失礼して頭部と尾の部分を切り出させていただきましたが、このうち尾のほうを見てください。
この尾の部分はレベルを調整(色はいじらずに明るさだけを調整)させていただきましたが、たたんだ尾を下からみたとき、外側の尾羽が白いのがおわかりと思います。これもホオジロ科の特徴です(たとえば、「フィールドガイド日本の野鳥」(日本野鳥の会)には、「嘴は円錐形で、・・・外側尾羽に白色部がある種が多い」とあります。この図鑑のように、科ごとの簡単な解説がついている図鑑をぜひ一冊手元に置かれることをお勧めします)。
ホオジロ科まで絞れれば、体の下面が、一様で明瞭な斑のない茶褐色という一点でホオジロに絞り込めるのですが、それだけでは疑問に感じられている点が解消しないかもしれません。
そこで問題の頭部ですが、切り出した画像の頭のほうをご覧ください。この鳥は体はおおむね画面と平行(体の軸は我々の視線とほぼ直角をなす)なのに、頭は向こうを向いているということがおわかりでしょうか?顔をそむけて後頭部が多く見えています。目の位置は画像からはわかりづらいですが、推測するに画像で示した矢印1のあたりにあるのだと思います。
このように、頭全体を後ろから見ていることを念頭に特徴を順に見てゆくとホオジロの雄で矛盾がないことはわかると思います。
つまり、頭頂から後頸が暗褐色、白い眉斑、黒い耳羽、白い亜頬線が見えます(その下の黒い顎線は頭の角度から見えていないのだろうとわかります)。これらはホオジロの雄と矛盾しないことがおわかりでしょう。耳羽の後ろの頸側に幅広い灰色部分があること(矢印2)が普段見るホオジロで見慣れないとお感じかもしれません。しかし、頸側に襟巻きのように灰色の羽毛があるのはホオジロの雄の特徴です。頭を向こうに向けているために、この灰色の部分が広く見えているのだと思います。
さらにくちばしが灰色で、足が肉色であること、たたんだ翼の小雨覆の部分の灰色が見えること(矢印3)もこの鳥がホオジロであることを支持しています。
下記リンクの「新訂 日本の鳥550」(文一総合出版)p. 357の写真(1)で、ホオジロ雄の頸側に襟巻き状に灰色の部分があること、また写真(3)で、小雨覆が灰色であることがおわかりと思います。
https://i-zukan.jp/contents/6/viewer?genre=1&page=358
ちなみにこの個体の写真はこの1コマだけなのでしょうか?
識別に迷うような鳥の同定ではなるべくいろいろな角度から撮影した複数コマがあることで答えが得やすいことをぜひ覚えておいてください。
この鳥も別の角度からのカットがあればおそらく難しくない可能性が高いです。もし追加の画像をお持ちでしたらぜひ見せていただければうれしいです。
回答日2018年07月15日
回答
xiaoPT
I think it's a Meadow Bunting Emberiza cioides. :-)
回答日2018年07月07日
わいばーど
詳しい説明ありがとうございます。
回答日2018年08月20日