専門家の回答
吹春先生(千葉中博)
吹春先生(千葉中央博物館)から回答がありましたので掲載します。
* * *
写真を拝見すると,がっちり型の風情で,これはたしかにイボテングタケ風ですね.
しかしながら,私は,テングタケとイボテングタケの2種の違いがわかっておらず,イボテングタケを新種記載した小田さんにメールで聞いたことがあります.その答えは,イボテングタケは 《1)柄や根本部分がしっかりしている感じ,2)根本の周りのリングが数段あること,3)傘の上のいぼがごつごつした感じであること》(小田,2012/07/20)などが肉眼的特徴である,と教えていただきました.
そこで論文をみてみました.そうすると上記のような形態的な区別点が述べられたあとで,《野外において2種は形態的に区別しがたいことがある》と書いてあり,その続きに《イボテングタケの顕微鏡的特徴として,イボテングタケとテングタケの担子器と菌糸において,前者は常にクランプを備えるが,後者は稀である点が,2種を区別する重要な特徴である》(論文362頁),と書いてありました(私の適当な意訳です).
→ Oda,T. et al. (2002) Amanita ibotengutake sp. nov., a poisonous fungus from Japan. Mycological Progress 1 (4): 355-365.
2種を区別しがたい場合には,「顕微鏡をみないとわかりませんね」という,おきまりの会話になりそうで,野外では,むりに区別する必要はない(できない)かもしれませんね.
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写真を拝見すると,がっちり型の風情で,これはたしかにイボテングタケ風ですね.
しかしながら,私は,テングタケとイボテングタケの2種の違いがわかっておらず,イボテングタケを新種記載した小田さんにメールで聞いたことがあります.その答えは,イボテングタケは 《1)柄や根本部分がしっかりしている感じ,2)根本の周りのリングが数段あること,3)傘の上のいぼがごつごつした感じであること》(小田,2012/07/20)などが肉眼的特徴である,と教えていただきました.
そこで論文をみてみました.そうすると上記のような形態的な区別点が述べられたあとで,《野外において2種は形態的に区別しがたいことがある》と書いてあり,その続きに《イボテングタケの顕微鏡的特徴として,イボテングタケとテングタケの担子器と菌糸において,前者は常にクランプを備えるが,後者は稀である点が,2種を区別する重要な特徴である》(論文362頁),と書いてありました(私の適当な意訳です).
→ Oda,T. et al. (2002) Amanita ibotengutake sp. nov., a poisonous fungus from Japan. Mycological Progress 1 (4): 355-365.
2種を区別しがたい場合には,「顕微鏡をみないとわかりませんね」という,おきまりの会話になりそうで,野外では,むりに区別する必要はない(できない)かもしれませんね.
回答日2018年08月28日
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