キッコウハグマ?
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推察される和名 | キッコウハグマ |
自信度 | ★★★ |
撮影場所 | 山梨県 / 道志村 |
撮影日時 | 2018-11-17 |
放棄された人里跡、現在はスギやヒノキの人工林となっている林縁部に咲いていました。
環境は北向き斜面で日の当たる時間はごく短く、若干湿り気を感じる場所です。
花冠の長さは10mm程度でしょうか。地面から10cm程度伸びた茎の先端に花を付けていました。3つの花が1つに纏まった花束のような感じ。
葉は地面に張り付くような感じで、大きさは2cm程度の丸みのある五角形。裏表ともスベスベとした感じでした。
現地では途方に暮れたものの、帰宅後に写真を眺めていてふと「コウヤボウキの花にどことなく似ているな」と思い、「山に咲く花 増補改訂新版」のコウヤボウキ周辺を見ていたところキッコウハグマの特徴に近いように思いました。
撮影日は11月17日なので「山に咲く花 増補改訂新版」にある花の時期より1ヶ月ほど遅いですが、これも今年が暖かかった(暑かった)影響でしょうか。
環境は北向き斜面で日の当たる時間はごく短く、若干湿り気を感じる場所です。
花冠の長さは10mm程度でしょうか。地面から10cm程度伸びた茎の先端に花を付けていました。3つの花が1つに纏まった花束のような感じ。
葉は地面に張り付くような感じで、大きさは2cm程度の丸みのある五角形。裏表ともスベスベとした感じでした。
現地では途方に暮れたものの、帰宅後に写真を眺めていてふと「コウヤボウキの花にどことなく似ているな」と思い、「山に咲く花 増補改訂新版」のコウヤボウキ周辺を見ていたところキッコウハグマの特徴に近いように思いました。
撮影日は11月17日なので「山に咲く花 増補改訂新版」にある花の時期より1ヶ月ほど遅いですが、これも今年が暖かかった(暑かった)影響でしょうか。
aw
投稿日 | 2018年11月21日 |
最終更新日 | 2019年03月04日 |
閲覧数 | 2,748 Views |
専門家の回答
小林先生(長池公園)
小林先生(長池公園副園長)からコメントがありましたので、掲載します(事務局)
***
種名
キッコウハグマ
確からしさ
★★★
識別ポイント
生育環境、花と葉の形態
参考図鑑
山に咲く花ほか
コメント
花と葉の様子がよくわかる写真と、丁寧な観察コメントをありがとうございます。
これらの手がかりより、キッコウハグマでお間違いありません。
外観の特徴は、いただいたコメントの通りなのですが、
特に、茎の下部にまとまって放射状に付く葉の様子と、
その形状(五角形状)が類似種との良い区別点となります。
花の印象がやや似ているコウヤボウキでは、葉は茎の下部から花のすぐ下までたくさん互生して付きます。
また、他種よりも薄暗い環境に生えていることが多く、
撮影地がスギ・ヒノキ林の林縁というのも、まさに本種が好む環境をよく表しています。
キッコウハグマは、閉鎖花(花が開くことなく、自ら自家受粉して結実してしまう蕾状の花)を
付けることが多いため、写真のような白い花自体がなかなか見つかりません。
仮に開放花を付けていても、一本の茎に付く花のほとんどが閉鎖花であることがほとんどのため、
カシワバハグマなどのように、茎の上から中ほどまで花がずらりと並んで咲いていることは滅多にありません。
こうしたことも、本種ならではの特徴といえるでしょう。
なお、開花期が図鑑の表記と比べて遅い理由はわかりませんが、薄暗い場所に生えるが故、日照の影響などもあるかもしれません。
開放花を付ける株は、毎年同じ場所に出現する傾向がありますので、ぜひ来年はいつ頃に咲くか、継続観察してみて下さい。
***
種名
キッコウハグマ
確からしさ
★★★
識別ポイント
生育環境、花と葉の形態
参考図鑑
山に咲く花ほか
コメント
花と葉の様子がよくわかる写真と、丁寧な観察コメントをありがとうございます。
これらの手がかりより、キッコウハグマでお間違いありません。
外観の特徴は、いただいたコメントの通りなのですが、
特に、茎の下部にまとまって放射状に付く葉の様子と、
その形状(五角形状)が類似種との良い区別点となります。
花の印象がやや似ているコウヤボウキでは、葉は茎の下部から花のすぐ下までたくさん互生して付きます。
また、他種よりも薄暗い環境に生えていることが多く、
撮影地がスギ・ヒノキ林の林縁というのも、まさに本種が好む環境をよく表しています。
キッコウハグマは、閉鎖花(花が開くことなく、自ら自家受粉して結実してしまう蕾状の花)を
付けることが多いため、写真のような白い花自体がなかなか見つかりません。
仮に開放花を付けていても、一本の茎に付く花のほとんどが閉鎖花であることがほとんどのため、
カシワバハグマなどのように、茎の上から中ほどまで花がずらりと並んで咲いていることは滅多にありません。
こうしたことも、本種ならではの特徴といえるでしょう。
なお、開花期が図鑑の表記と比べて遅い理由はわかりませんが、薄暗い場所に生えるが故、日照の影響などもあるかもしれません。
開放花を付ける株は、毎年同じ場所に出現する傾向がありますので、ぜひ来年はいつ頃に咲くか、継続観察してみて下さい。
回答日2018年11月22日
aw
小林先生
いつも有り難うございます。
コウヤボウキは自宅周辺でも目にするので、随分と葉の付き方が異なるのだなと言う印象は強く受けました。
また閉塞花の方が多いというのも興味深く、今回はラッキーだったようですね。
開放花を付ける株は毎年同じ場所に出現することが多いとのこと。来年はもう少し早い時期から通ってみたいと思います。
それにしてもこれで先生から貰った宿題はいくつ目でしょうか。少しずつ減らさないといけませんね(笑)
いつも有り難うございます。
コウヤボウキは自宅周辺でも目にするので、随分と葉の付き方が異なるのだなと言う印象は強く受けました。
また閉塞花の方が多いというのも興味深く、今回はラッキーだったようですね。
開放花を付ける株は毎年同じ場所に出現することが多いとのこと。来年はもう少し早い時期から通ってみたいと思います。
それにしてもこれで先生から貰った宿題はいくつ目でしょうか。少しずつ減らさないといけませんね(笑)
回答日2018年11月25日
回答
Fe
葉の形状やサイズ、花の特徴から判断すると、仰られるようにキッコウハグマで良いと思います。
「日本の野生植物」によれば、キッコウハグマが属するモミジハグマ属Ainsliaeaは日本産は全て3小花で、それに合致します。また、本属のうち山梨県内に分布するのはキッコウハグマとオクモミジハグマだと思いますが、オクモミジハグマはずっと大型と思います。
「日本の野生植物」によれば、キッコウハグマが属するモミジハグマ属Ainsliaeaは日本産は全て3小花で、それに合致します。また、本属のうち山梨県内に分布するのはキッコウハグマとオクモミジハグマだと思いますが、オクモミジハグマはずっと大型と思います。
回答日2018年11月22日
aw
Feさん、いつも有り難うございます。
なるほど、「山に咲く花 増補改訂新版」ではキッコウハグマの分布は大雑把に本州とだけ記されていますが、他のモミジハグマ属をよく見ると山梨県で観察できそうな種類はキッコウハグマかオクモミジハグマだけになりますね。ここまで読み込んでいませんでした。
そうすると大きさと共に葉の形状も全く異なりますからキッコウハグマに行き着きますね。
勉強になりました。
なるほど、「山に咲く花 増補改訂新版」ではキッコウハグマの分布は大雑把に本州とだけ記されていますが、他のモミジハグマ属をよく見ると山梨県で観察できそうな種類はキッコウハグマかオクモミジハグマだけになりますね。ここまで読み込んでいませんでした。
そうすると大きさと共に葉の形状も全く異なりますからキッコウハグマに行き着きますね。
勉強になりました。
回答日2018年11月25日
Fe
awさま
どういたしまして!
図鑑の分布域の記述は完璧ではないものの、種同定の際に参考になりますよね。
豊富な報告や投稿、楽しませていただいています。
どういたしまして!
図鑑の分布域の記述は完璧ではないものの、種同定の際に参考になりますよね。
豊富な報告や投稿、楽しませていただいています。
回答日2018年11月26日