専門家の回答
平岡先生(山階鳥研)
平岡考先生(山階鳥類研究所)から回答がありましたので投稿します(事務局)
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この鳥ですが、すでに別の方の回答にもあるようにウグイスです。見るべきポイントは、左下のコマがわかりやすいと思いますが、暗色の過眼線(目を通過して目の前後に伸びる線)がありその上に淡い眉斑があること、そして嘴は、スズメのような太くて短い、横から見ると三角形の嘴じゃなくて、横から見て細い嘴ということ、体は比較的水平に保たれていて、足は長めでしっかりしていて、足の色は肉色なこと、尾が長めであること、体はくすんだオリーヴ褐色で、体の下面はやや淡い,というあたりです。
オオムラサキさんが名前を挙げられたルリビタキの雌はなるほど全体の色調や嘴の尖ったようすは似てなくないかもしれません。ですが、ルリビタキはこの鳥のような暗色の過眼線と淡色の眉斑のセットがなくて(正確には淡色の眉斑が明瞭なのは眼の前側だけで、過眼線はないといってよいでしょう)、目がくりくりと見えます。それから体をもっと立てて、胸を張ったようなスタンスでとまることが多いです。それから、足が長めでしっかりしているのは共通ですが、足の色がルリビタキは黒いのです。それから、これがいちばんわかりやすいポイントでしょうが、ルリビタキの雌は脇にオレンジ色がありますし、上尾筒から尾にかけて青色みがありますね。
ルリビタキ(新版日本の野鳥)
https://i-zukan.jp/contents/20/viewer?genre=1&page=555
実はウグイスに似て、全体に目立った模様がない褐色から緑色系統の鳥で、体の下面が淡くて、顔に暗色の過眼線と淡色の眉斑のセットがあって、嘴が尖っていて、体は水平ぎみに保っている鳥というのは、ウグイスの仲間のウグイス科というグループ以外に、ムシクイ科という仲間にも複数いて、それらの鳥の識別は結構難物です。ですが、そういった鳥は、関東地方で越冬期に見られる可能性の高い鳥はいないといってよいです。まずウグイスをよく見ておくことは将来そういったよく似た鳥たちを見分けるときにも役立つでしょう。
それからお示しのような状況であればウグイスは「ジャッ、ジャッ」という声で鳴いていたはずです。これは「ウグイスの笹鳴き」と言いますが、鳥の鳴き声を「さえずり」と「地鳴き」に二大別したときの、「地鳴き」です(「さえずり」はもちろん春先に聞かれる「ホーホケキョ」です)。
ウグイスの地鳴き(バードリサーチ鳴き声図鑑)
http://www.bird-research.jp/1_shiryo/koe/uguisu_0812_hyogo_kaji.mp3
この「ジャッ、ジャッ」というウグイスの地鳴きは、関東地方の平野部で冬にバードウォッチングする際の、5本の指に入る「必修地鳴き」だと思います。ウグイスは冬の関東地方の平野部ではごくありふれた鳥ですが、薮の中を移動していて姿がよく見えない状況で観察することがとても多い鳥です。ですがこの鳴き声が聞こえれば、「あ、ウグイスがいる」とすぐわかります。ぜひ今度、注意して声を聞いてみてください。
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この鳥ですが、すでに別の方の回答にもあるようにウグイスです。見るべきポイントは、左下のコマがわかりやすいと思いますが、暗色の過眼線(目を通過して目の前後に伸びる線)がありその上に淡い眉斑があること、そして嘴は、スズメのような太くて短い、横から見ると三角形の嘴じゃなくて、横から見て細い嘴ということ、体は比較的水平に保たれていて、足は長めでしっかりしていて、足の色は肉色なこと、尾が長めであること、体はくすんだオリーヴ褐色で、体の下面はやや淡い,というあたりです。
オオムラサキさんが名前を挙げられたルリビタキの雌はなるほど全体の色調や嘴の尖ったようすは似てなくないかもしれません。ですが、ルリビタキはこの鳥のような暗色の過眼線と淡色の眉斑のセットがなくて(正確には淡色の眉斑が明瞭なのは眼の前側だけで、過眼線はないといってよいでしょう)、目がくりくりと見えます。それから体をもっと立てて、胸を張ったようなスタンスでとまることが多いです。それから、足が長めでしっかりしているのは共通ですが、足の色がルリビタキは黒いのです。それから、これがいちばんわかりやすいポイントでしょうが、ルリビタキの雌は脇にオレンジ色がありますし、上尾筒から尾にかけて青色みがありますね。
ルリビタキ(新版日本の野鳥)
https://i-zukan.jp/contents/20/viewer?genre=1&page=555
実はウグイスに似て、全体に目立った模様がない褐色から緑色系統の鳥で、体の下面が淡くて、顔に暗色の過眼線と淡色の眉斑のセットがあって、嘴が尖っていて、体は水平ぎみに保っている鳥というのは、ウグイスの仲間のウグイス科というグループ以外に、ムシクイ科という仲間にも複数いて、それらの鳥の識別は結構難物です。ですが、そういった鳥は、関東地方で越冬期に見られる可能性の高い鳥はいないといってよいです。まずウグイスをよく見ておくことは将来そういったよく似た鳥たちを見分けるときにも役立つでしょう。
それからお示しのような状況であればウグイスは「ジャッ、ジャッ」という声で鳴いていたはずです。これは「ウグイスの笹鳴き」と言いますが、鳥の鳴き声を「さえずり」と「地鳴き」に二大別したときの、「地鳴き」です(「さえずり」はもちろん春先に聞かれる「ホーホケキョ」です)。
ウグイスの地鳴き(バードリサーチ鳴き声図鑑)
http://www.bird-research.jp/1_shiryo/koe/uguisu_0812_hyogo_kaji.mp3
この「ジャッ、ジャッ」というウグイスの地鳴きは、関東地方の平野部で冬にバードウォッチングする際の、5本の指に入る「必修地鳴き」だと思います。ウグイスは冬の関東地方の平野部ではごくありふれた鳥ですが、薮の中を移動していて姿がよく見えない状況で観察することがとても多い鳥です。ですがこの鳴き声が聞こえれば、「あ、ウグイスがいる」とすぐわかります。ぜひ今度、注意して声を聞いてみてください。
回答日2018年02月15日
オオムラサキ
平岡先生、ご丁寧な解説、有難うございました。ウグイスとルリビタキの差がよくわかりました。今後は鳴き声にも一層注意します。
回答日2018年02月16日
回答