さあ、答え合わせの時間だ(やっぱりオオヤマサギソウ?)
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推察される和名 | ノヤマトンボ |
自信度 | ★★☆ |
撮影場所 | 神奈川県 |
撮影日時 | 2018-06-30 |
昨年よりも1週間以上早く咲いてしまいました。
今までの流れはこちらから
そろそろ咲きそう(ツレサギソウ属のどれか) https://i-zukan.jp/posts/836
蕾(ツレサギソウ属のどれか?) https://i-zukan.jp/posts/810
花茎立ち上がり https://i-zukan.jp/posts/749
去年の未解決事案、解決するか? https://i-zukan.jp/posts/613
花の形はヤマサギソウ/オオヤマサギソウに似ているけれど https://i-zukan.jp/posts/272
というか6月23日(先週)の投稿時点で咲いてますね、これ・・・
葉の形・付け方については https://i-zukan.jp/posts/749 をご覧下さい。
また、「去年の未解決事案、解決するか? https://i-zukan.jp/posts/613」については違う植物の葉の可能性があるようなので、ここでは一旦無視して下さい。(後日踏み荒らされてしまい、現在では葉も残っていません)
花の特徴です。
苞:尖っている。但し幅が広いのかそうでないのか判別つかず。
背萼片:卵形(4~5mm程度)
側萼片:背萼片を半分よりちょっと多く切り落としたような細長い形状(4~5mm程度)少し捻れながら反っているように見える
側花弁:側額片と似たような形状に見えるが背萼片に隠れていてよく判らない
唇弁:大きく後ろへ反り返る。幅は背萼片と同じ程度。側面から見たときに、うっかりすると炬に見間違える。前から観察すると唇弁がないように見える。
距:やや下向き・下向きに曲がる。長さは2cm程度。
その他
茎に稜角が認められる。
光沢のある葉は大きなものが3枚互生。葉の根元が茎を巻き込む。鱗片葉あり。
草丈は30cm程度。但し先端部は黒く変色して枯れ落ちている。
ここまで列記した特徴により以下のツレサギソウ属は除外できそうです。(以下参考:神奈川県植物誌2001)
オオバノトンボソウ:葉の形から除外できそうです。昨年の投稿に対して相模原市立博物館・学芸員の秋山先生からもご指摘を頂きました。
マイサギソウ:秋山先生からは同時にマイサギソウの可能性も指摘されていましたが、マイサギソウの距は上に立つという判りやすい違いがあるため、これも除外できそうです。
ツレサギソウ・ミズチドリ:大きな葉の数が大きく異なるため除外できそうです(5枚以上とある)
コバノトンボソウ・キソチドリ・ナガバノキソチドリ・ヤマサギソウ・ジンバイソウ:これらは葉が1枚、もしくは2枚の場合は対生状とあるため当てはまらないようです。
・・・という消去法ですが、残るのはオオヤマサギソウかオオバナノオオヤマサギソウになります。どちらも上に上げた特徴は全て満たしているようではありますが、距の長さでオオヤマサギソウである可能性が高そうに思われます。(オオバナノオオヤマサギソウの距は30~40mmとある)
が、問題は環境です。
去年の投稿でも報告しましたが、この個体の周辺環境は里山の常緑樹の林床部。山間部ではなく標高はせいぜい90m程度。
それに対して神奈川県植物誌2001には、オオヤマサギソウについては山地(西丹沢)のブナ帯の樹林内、オオバナノオオヤマサギソウは丹沢のブナ帯の樹林内とあり、生育環境がかなり異なります。
果たしてオオヤマサギソウとして良いのでしょうか。
今までの流れはこちらから
そろそろ咲きそう(ツレサギソウ属のどれか) https://i-zukan.jp/posts/836
蕾(ツレサギソウ属のどれか?) https://i-zukan.jp/posts/810
花茎立ち上がり https://i-zukan.jp/posts/749
去年の未解決事案、解決するか? https://i-zukan.jp/posts/613
花の形はヤマサギソウ/オオヤマサギソウに似ているけれど https://i-zukan.jp/posts/272
というか6月23日(先週)の投稿時点で咲いてますね、これ・・・
葉の形・付け方については https://i-zukan.jp/posts/749 をご覧下さい。
また、「去年の未解決事案、解決するか? https://i-zukan.jp/posts/613」については違う植物の葉の可能性があるようなので、ここでは一旦無視して下さい。(後日踏み荒らされてしまい、現在では葉も残っていません)
花の特徴です。
苞:尖っている。但し幅が広いのかそうでないのか判別つかず。
背萼片:卵形(4~5mm程度)
側萼片:背萼片を半分よりちょっと多く切り落としたような細長い形状(4~5mm程度)少し捻れながら反っているように見える
側花弁:側額片と似たような形状に見えるが背萼片に隠れていてよく判らない
唇弁:大きく後ろへ反り返る。幅は背萼片と同じ程度。側面から見たときに、うっかりすると炬に見間違える。前から観察すると唇弁がないように見える。
距:やや下向き・下向きに曲がる。長さは2cm程度。
その他
茎に稜角が認められる。
光沢のある葉は大きなものが3枚互生。葉の根元が茎を巻き込む。鱗片葉あり。
草丈は30cm程度。但し先端部は黒く変色して枯れ落ちている。
ここまで列記した特徴により以下のツレサギソウ属は除外できそうです。(以下参考:神奈川県植物誌2001)
オオバノトンボソウ:葉の形から除外できそうです。昨年の投稿に対して相模原市立博物館・学芸員の秋山先生からもご指摘を頂きました。
マイサギソウ:秋山先生からは同時にマイサギソウの可能性も指摘されていましたが、マイサギソウの距は上に立つという判りやすい違いがあるため、これも除外できそうです。
ツレサギソウ・ミズチドリ:大きな葉の数が大きく異なるため除外できそうです(5枚以上とある)
コバノトンボソウ・キソチドリ・ナガバノキソチドリ・ヤマサギソウ・ジンバイソウ:これらは葉が1枚、もしくは2枚の場合は対生状とあるため当てはまらないようです。
・・・という消去法ですが、残るのはオオヤマサギソウかオオバナノオオヤマサギソウになります。どちらも上に上げた特徴は全て満たしているようではありますが、距の長さでオオヤマサギソウである可能性が高そうに思われます。(オオバナノオオヤマサギソウの距は30~40mmとある)
が、問題は環境です。
去年の投稿でも報告しましたが、この個体の周辺環境は里山の常緑樹の林床部。山間部ではなく標高はせいぜい90m程度。
それに対して神奈川県植物誌2001には、オオヤマサギソウについては山地(西丹沢)のブナ帯の樹林内、オオバナノオオヤマサギソウは丹沢のブナ帯の樹林内とあり、生育環境がかなり異なります。
果たしてオオヤマサギソウとして良いのでしょうか。
aw
投稿日 | 2018年06月30日 |
最終更新日 | 2019年03月05日 |
閲覧数 | 1,884 Views |
回答
aw
側面からの写真を追加しておきます
回答日2018年06月30日
図鑑jp事務局
事務局です。
昨年に引き続き、相模原市立博物館の秋山幸也先生にお返事をいただいたので、ご報告します。
-----
オオバノトンボソウでよいと思います。
昨年自分が何を書いたかまるで忘れていました。
今年の葉(https://i-zukan.jp/posts/749)を見ても問題ありません。
また、何より花がオオバノトンボソウそのものですし、生育環境からもやはりオオバノトンボソウと考えるのがもっとも自然です。
昨年の葉の印象がちょっと違って見えたのですが、今年のようすをもし自分で野外で見たら、迷いなくオオバノトンボソウとすると思います。
-----
なお、図鑑.jpの仕様の都合上、「推測される和名」欄には、別名の"ノヤマトンボ"を入れています。
ご確認ください。
昨年に引き続き、相模原市立博物館の秋山幸也先生にお返事をいただいたので、ご報告します。
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オオバノトンボソウでよいと思います。
昨年自分が何を書いたかまるで忘れていました。
今年の葉(https://i-zukan.jp/posts/749)を見ても問題ありません。
また、何より花がオオバノトンボソウそのものですし、生育環境からもやはりオオバノトンボソウと考えるのがもっとも自然です。
昨年の葉の印象がちょっと違って見えたのですが、今年のようすをもし自分で野外で見たら、迷いなくオオバノトンボソウとすると思います。
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なお、図鑑.jpの仕様の都合上、「推測される和名」欄には、別名の"ノヤマトンボ"を入れています。
ご確認ください。
回答日2018年07月06日
aw
事務局様
秋山先生からのコメントを掲載していただき、有り難うございます。
先生が仰る去年の葉の印象が違って見えたというのは、「根元の2枚の大きな葉(狭長楕円形)がついていない」という点が上手く伝わっていなかったのではないかと思いました。
いずれにしても1年間かかっても疑問が解決できたので良かったです。
秋山先生にも宜しくお伝え下さい。
秋山先生からのコメントを掲載していただき、有り難うございます。
先生が仰る去年の葉の印象が違って見えたというのは、「根元の2枚の大きな葉(狭長楕円形)がついていない」という点が上手く伝わっていなかったのではないかと思いました。
いずれにしても1年間かかっても疑問が解決できたので良かったです。
秋山先生にも宜しくお伝え下さい。
回答日2018年07月07日