回答
suzuki
これは種差海岸のスカシユリと同じで、簡単には答えが出せない問いなのではないか、と思います。
最新の図鑑である平凡社『改訂新版 日本の野生植物 5』を見てみました。この属の専門家である藤井紀行先生の記述によれば、日本国内のシオガマギクは2つの亜種、シオガマギクとビロードシオガマに分けられます。この写真のように茎の上部と萼にビロード状の毛があるものは、亜種ビロードシオガマに含まれます。さらにビロードシオガマは2つの変種、狭義のビロードシオガマとトモエシオガマに分けられます。
南千島と北海道に分布し花序が長くなるものや穂状となるものが狭義のビロードシオガマで、本州中部・北部の亜高山帯草原に生え、花序が詰まって上から見た時に花が巴型に並んでいるもの(下の方には花がないもの)が、トモエシオガマと呼ばれます。
そこで、この写真の植物はビロードシオガマかトモエシオガマか、ということが次の問題になると思います。形態的には明らかに合いそうなビロードシオガマの分布範囲には、本州の種差海岸は含まれておらず、図鑑の記述とは合いません。こうなると、記載論文を含めてもっといろんな資料を確認したくなってきます。(ということで今はここまでです。)
スカシユリの時にも思ったのですが、本州太平洋岸の最北に近い種差海岸には、北海道の海岸草原に生えるものと形態的に類似するものが、一部生育している可能性があるのではないか、と思うのですが...。
最新の図鑑である平凡社『改訂新版 日本の野生植物 5』を見てみました。この属の専門家である藤井紀行先生の記述によれば、日本国内のシオガマギクは2つの亜種、シオガマギクとビロードシオガマに分けられます。この写真のように茎の上部と萼にビロード状の毛があるものは、亜種ビロードシオガマに含まれます。さらにビロードシオガマは2つの変種、狭義のビロードシオガマとトモエシオガマに分けられます。
南千島と北海道に分布し花序が長くなるものや穂状となるものが狭義のビロードシオガマで、本州中部・北部の亜高山帯草原に生え、花序が詰まって上から見た時に花が巴型に並んでいるもの(下の方には花がないもの)が、トモエシオガマと呼ばれます。
そこで、この写真の植物はビロードシオガマかトモエシオガマか、ということが次の問題になると思います。形態的には明らかに合いそうなビロードシオガマの分布範囲には、本州の種差海岸は含まれておらず、図鑑の記述とは合いません。こうなると、記載論文を含めてもっといろんな資料を確認したくなってきます。(ということで今はここまでです。)
スカシユリの時にも思ったのですが、本州太平洋岸の最北に近い種差海岸には、北海道の海岸草原に生えるものと形態的に類似するものが、一部生育している可能性があるのではないか、と思うのですが...。
回答日2018年09月07日
tanaemi
suzuki様、前回に続き貴重なご意見ありがとうございます。
DNAで分類がされているようですが検体を採集した時点で種差に自生していることが
知られていなかったのではないかと個人的に思う事があります。
(自生エリアも極々限られた所、減少していますので絶滅も危惧される状態です。)
一般の方々の写真画像を拝見すると伊吹山のシオガマギクに似ているように思います。
現状ではシオガマギク、ビロードシオガマギクの可能性が少しといったところでしょうね。
写真だけで名前の断定は難しいですね。
今後の植物学研究が進めば確定するかもしれないですね。気長に待ちます。
DNAで分類がされているようですが検体を採集した時点で種差に自生していることが
知られていなかったのではないかと個人的に思う事があります。
(自生エリアも極々限られた所、減少していますので絶滅も危惧される状態です。)
一般の方々の写真画像を拝見すると伊吹山のシオガマギクに似ているように思います。
現状ではシオガマギク、ビロードシオガマギクの可能性が少しといったところでしょうね。
写真だけで名前の断定は難しいですね。
今後の植物学研究が進めば確定するかもしれないですね。気長に待ちます。
回答日2018年09月08日
suzuki
日本のシオガマギクを亜種シオガマギク(花冠の嘴が短く、茎の上部に毛がないもの)とビロードシオガマ(花冠の嘴が長く、茎の上部に密に毛があるもの)に分ける提案がなされたのは1993年です(T.Yamazaki, Flora of Japan 3a)。ちなみにDNAで分類されたわけではありません。
この提案を認めている図鑑と認めていない図鑑があるようです。先に挙げた平凡社『改訂新版 日本の野生植物』では、この提案を認めているというわけです。
写真の植物には、茎の上部に明らかにビロード状の毛が見えますので、この分類を受け入れるならば、この植物はシオガマギクではなくビロードシオガマと呼ぶべきである、ということになります。しかし、この分類を認めないのであれば、従来どおり広義のシオガマギクと呼んでおけば良いのかなと思います。
この提案を認めている図鑑と認めていない図鑑があるようです。先に挙げた平凡社『改訂新版 日本の野生植物』では、この提案を認めているというわけです。
写真の植物には、茎の上部に明らかにビロード状の毛が見えますので、この分類を受け入れるならば、この植物はシオガマギクではなくビロードシオガマと呼ぶべきである、ということになります。しかし、この分類を認めないのであれば、従来どおり広義のシオガマギクと呼んでおけば良いのかなと思います。
回答日2018年09月10日
tanaemi
suzuki様、重ねてのご意見ありがとうございます。
茎にあるビロード状の毛を名前の提案と認めるかどうか、決めかねる所です。相違点を踏まえた上で考えていきたいと思います。現状は従来通りとしておこうと思います。判断が付くまでに絶滅が心配な所です。ありがとうございました。
茎にあるビロード状の毛を名前の提案と認めるかどうか、決めかねる所です。相違点を踏まえた上で考えていきたいと思います。現状は従来通りとしておこうと思います。判断が付くまでに絶滅が心配な所です。ありがとうございました。
回答日2018年09月12日