この植物の名前を教えてください・・・
いいね!1件
いいね!1件
推察される和名 | 指定されていません |
自信度 | |
撮影場所 | 長野県 / 南アルプス林道 |
撮影日時 | 2014-05-24 |
ご無沙汰しています。
写真整理していたのですが、これ、ありふれているような気もしますが、なんて名前でしょう?
写真整理していたのですが、これ、ありふれているような気もしますが、なんて名前でしょう?
ふゆき
投稿日 | 2019年03月13日 |
最終更新日 | 2019年03月13日 |
閲覧数 | 1,903 Views |
専門家の回答
小林先生(長池公園)
小林先生(長池公園副園長)からコメントがありましたので掲載します(事務局)
***
種名
マメグンバイナズナ
確からしさ
★★☆
識別ポイント
花・果実・葉の形態
参考図鑑
日本帰化植物写真図鑑第1巻、長野県植物誌(信濃毎日新聞社)ほか
コメント
少々長くなりますが、回答させていただきます。
意外に思われるかもしれませんが、ご質問の植物はアブラナ科のマメグンバイナズナ(北アメリカ原産)ではないでしょうか。
白い四枚の花びらと互生する葉の印象から、アブラナ科の植物ということはある程度推測できるかと思います。
次に、南アルプスの林道で撮影されたとのことで、通常であれば山地~高山帯のアブラナ科植物を順番に絵合わせしていくことになろうかと思います。
(例えば○○ガラシ、○○ハタザオ、○○ナズナといった高山植物がたくさん出てきます。)
しかし今回は、花の下に特徴的な形の果実(角果)が付いていることに着目して、そこから同定を試みてみましょう。
長い柄の先に付いた果実は円形で平べったく(丸い交通標識の形)、水平方向を向いています。
実は、山地~高山帯のアブラナ科植物でこのような形状の果実を持つ種類はおそらくありません。
そこで一度、低地の植物や外来種も視野に入れて検討してみると、果実の形状から、マメグンバイナズナ属、グンバイナズナ属が候補として挙げられます。
これらは「山に咲く花」、「高山に咲く花」などの“山の植物の図鑑”には掲載されていませんので、「野に咲く花」、「日本帰化植物写真図鑑」等をご参照下さい。
さて、ここから先は消去法で一気に絞り込んでしまいましょう。
グンバイナズナの果実は大型で先端が凹み(軍配形)、垂直方向を向きます。
ウロコナズナは果実がスプーン状で葉は幅が広く茎を抱きこみます。
キレハマメグンバイナズナは茎上方の葉がヨモギのように切れ込みます。
ダイコクマメグンバイナズナは花びらがありません。
ヒメグンバイナズナは花びらがほとんど目立ちません。
上記の種類がいずれも候補から外れ、マメグンバイナズナに行き当たります。
花の付き方や大きさ、果実の形状、茎上方の葉の形状を図鑑と比較してみて下さい。
典型的なマメグンバイナズナよりも花や果実の数が少なく、一本立ちであることから、一見すると別種のように見えますが、個々の特徴は本種と合致していると思います。
いかがでしょうか?
1997年に発行された「長野県植物誌」によると、マメグンバイナズナは既に長野県全域に
分布しているものの、見られる環境は“低地”のみが表記されています。
本種は乾燥に強く荒れ地などを好むこともあり、20年以上経過した現在となっては高い山の登山道沿いなどにも生育環境を広げているのかもしれません。
平地では決して珍しい植物ではありませんが、高地での記録はかえって
貴重な確認情報といえるのではないでしょうか。
***
種名
マメグンバイナズナ
確からしさ
★★☆
識別ポイント
花・果実・葉の形態
参考図鑑
日本帰化植物写真図鑑第1巻、長野県植物誌(信濃毎日新聞社)ほか
コメント
少々長くなりますが、回答させていただきます。
意外に思われるかもしれませんが、ご質問の植物はアブラナ科のマメグンバイナズナ(北アメリカ原産)ではないでしょうか。
白い四枚の花びらと互生する葉の印象から、アブラナ科の植物ということはある程度推測できるかと思います。
次に、南アルプスの林道で撮影されたとのことで、通常であれば山地~高山帯のアブラナ科植物を順番に絵合わせしていくことになろうかと思います。
(例えば○○ガラシ、○○ハタザオ、○○ナズナといった高山植物がたくさん出てきます。)
しかし今回は、花の下に特徴的な形の果実(角果)が付いていることに着目して、そこから同定を試みてみましょう。
長い柄の先に付いた果実は円形で平べったく(丸い交通標識の形)、水平方向を向いています。
実は、山地~高山帯のアブラナ科植物でこのような形状の果実を持つ種類はおそらくありません。
そこで一度、低地の植物や外来種も視野に入れて検討してみると、果実の形状から、マメグンバイナズナ属、グンバイナズナ属が候補として挙げられます。
これらは「山に咲く花」、「高山に咲く花」などの“山の植物の図鑑”には掲載されていませんので、「野に咲く花」、「日本帰化植物写真図鑑」等をご参照下さい。
さて、ここから先は消去法で一気に絞り込んでしまいましょう。
グンバイナズナの果実は大型で先端が凹み(軍配形)、垂直方向を向きます。
ウロコナズナは果実がスプーン状で葉は幅が広く茎を抱きこみます。
キレハマメグンバイナズナは茎上方の葉がヨモギのように切れ込みます。
ダイコクマメグンバイナズナは花びらがありません。
ヒメグンバイナズナは花びらがほとんど目立ちません。
上記の種類がいずれも候補から外れ、マメグンバイナズナに行き当たります。
花の付き方や大きさ、果実の形状、茎上方の葉の形状を図鑑と比較してみて下さい。
典型的なマメグンバイナズナよりも花や果実の数が少なく、一本立ちであることから、一見すると別種のように見えますが、個々の特徴は本種と合致していると思います。
いかがでしょうか?
1997年に発行された「長野県植物誌」によると、マメグンバイナズナは既に長野県全域に
分布しているものの、見られる環境は“低地”のみが表記されています。
本種は乾燥に強く荒れ地などを好むこともあり、20年以上経過した現在となっては高い山の登山道沿いなどにも生育環境を広げているのかもしれません。
平地では決して珍しい植物ではありませんが、高地での記録はかえって
貴重な確認情報といえるのではないでしょうか。
回答日2019年03月16日
ふゆき
ありがとうございます!
この、ほんの少しの果実にヒントが・・・。
確かに言われてみれば、グンバイナズナの仲間しか無いかもです。
登山道をかなり降りてきたところではありましたが、平地とはまったく言えない現場で、ちょうどアナグマと遭遇した(笑)ときだったので、よく観察しておらず、あとで写真で何かわからなくなっていました。
マメグンバイナズナの写真ならたくさんありますので、いろいろ比べてみます。ありがとうございました。
この、ほんの少しの果実にヒントが・・・。
確かに言われてみれば、グンバイナズナの仲間しか無いかもです。
登山道をかなり降りてきたところではありましたが、平地とはまったく言えない現場で、ちょうどアナグマと遭遇した(笑)ときだったので、よく観察しておらず、あとで写真で何かわからなくなっていました。
マメグンバイナズナの写真ならたくさんありますので、いろいろ比べてみます。ありがとうございました。
回答日2019年03月16日
回答