専門家の回答
小林先生(長池公園)
小林健人先生(長池公園副園長)からの回答が届きましたので投稿します(事務局)
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種名:ミドリハコベ(ハコベ)
確からしさ:★★☆
識別ポイント:茎の色、葉の大きさ、生え方、雄しべの本数
参考図鑑:野に咲く花
***
5枚ある花びらのそれぞれが深く切れ込み、10枚あるように見える花の様子と、スペード型の葉が対生していることから、ハコベの仲間で間違いありません。
関東地方の平地で普通に見られるハコベの仲間は主に以下の4種類です。
種数が少ないので、ここでは検索表をたどらずに、識別のポイントとなる各形質を比べてみたいと思います。
●ミドリハコベ(広義ハコベ)
1.茎は緑色
2.立ち上がって生育する傾向がある
3.葉は大きい
4.雌しべの先(柱頭)は3つに分かれる
5.雄しべは4~10本(通常6以上)
6.種子表面は縁に尖ったいぼ状突起が目立つ
●コハコベ(広義ハコベ)
1.茎は赤みを帯びる
2.這うように生育する傾向がある
3.葉は小さい
4.雌しべの先(柱頭)は3つに分かれる
5.雄しべは1~7本(通常5以下)
6.種子表面は縁に低い突起がある
●イヌコハコベ
1.茎は赤みを帯びることが多い
2.立ち上がるものも這うものもある
3.葉は小さい
4.雌しべの先(柱頭)は3つに分かれる
5.雄しべは3~5本
6.種子表面の縁はわずかに突起があり、サイズが直径1mm以下と最小
※全ての花に花弁が無いことや、多くの場合、萼片の基部に赤紫色の斑点があることから見分けやすい。
※詳しくはyamashokuさまの報告投稿をぜひご参照下さい。
●ウシハコベ
1.茎は節が赤みを帯び、茎上部に腺毛がある
2.立ち上がって生育し、大きいものでは膝丈ほどになる
3.葉は大きく、丸みの少ない三角形で側脈が目立つ
4.雌しべの先(柱頭)は5つに分かれる
5.雄しべは10本
6.種子表面は縁に低い突起がある
※湿った場所でも見られること、開花期が他種より遅いことなども特徴。
以上を参考にしますと、写真の個体はミドリハコベ(広義ハコベ)で良いようです。
花のアップからは、柱頭3、雄しべ6(雌しべの周りに見える白と茶色の数)がかろうじて見てとれます。
ただし、特にミドリハコベとコハコベでは外観だけでは区別できないような、どっち付かずの個体もよく見かけます。
判断に迷う時には、種子表面の様子を検鏡するのが最も確実です。
それが難しい場合には、なるべく多くの個体を観察し、茎の色や葉の大きさ、雄しべの本数など複数の形質を総合的にチェックして種を推定するのが賢明でしょう。
もちろん、無理に同定しようとせず、広義の「ハコベ」と一括りにしても決して問題はありません。
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種名:ミドリハコベ(ハコベ)
確からしさ:★★☆
識別ポイント:茎の色、葉の大きさ、生え方、雄しべの本数
参考図鑑:野に咲く花
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5枚ある花びらのそれぞれが深く切れ込み、10枚あるように見える花の様子と、スペード型の葉が対生していることから、ハコベの仲間で間違いありません。
関東地方の平地で普通に見られるハコベの仲間は主に以下の4種類です。
種数が少ないので、ここでは検索表をたどらずに、識別のポイントとなる各形質を比べてみたいと思います。
●ミドリハコベ(広義ハコベ)
1.茎は緑色
2.立ち上がって生育する傾向がある
3.葉は大きい
4.雌しべの先(柱頭)は3つに分かれる
5.雄しべは4~10本(通常6以上)
6.種子表面は縁に尖ったいぼ状突起が目立つ
●コハコベ(広義ハコベ)
1.茎は赤みを帯びる
2.這うように生育する傾向がある
3.葉は小さい
4.雌しべの先(柱頭)は3つに分かれる
5.雄しべは1~7本(通常5以下)
6.種子表面は縁に低い突起がある
●イヌコハコベ
1.茎は赤みを帯びることが多い
2.立ち上がるものも這うものもある
3.葉は小さい
4.雌しべの先(柱頭)は3つに分かれる
5.雄しべは3~5本
6.種子表面の縁はわずかに突起があり、サイズが直径1mm以下と最小
※全ての花に花弁が無いことや、多くの場合、萼片の基部に赤紫色の斑点があることから見分けやすい。
※詳しくはyamashokuさまの報告投稿をぜひご参照下さい。
●ウシハコベ
1.茎は節が赤みを帯び、茎上部に腺毛がある
2.立ち上がって生育し、大きいものでは膝丈ほどになる
3.葉は大きく、丸みの少ない三角形で側脈が目立つ
4.雌しべの先(柱頭)は5つに分かれる
5.雄しべは10本
6.種子表面は縁に低い突起がある
※湿った場所でも見られること、開花期が他種より遅いことなども特徴。
以上を参考にしますと、写真の個体はミドリハコベ(広義ハコベ)で良いようです。
花のアップからは、柱頭3、雄しべ6(雌しべの周りに見える白と茶色の数)がかろうじて見てとれます。
ただし、特にミドリハコベとコハコベでは外観だけでは区別できないような、どっち付かずの個体もよく見かけます。
判断に迷う時には、種子表面の様子を検鏡するのが最も確実です。
それが難しい場合には、なるべく多くの個体を観察し、茎の色や葉の大きさ、雄しべの本数など複数の形質を総合的にチェックして種を推定するのが賢明でしょう。
もちろん、無理に同定しようとせず、広義の「ハコベ」と一括りにしても決して問題はありません。
回答日2018年03月12日
aw
小林先生
コメントを頂き、有り難うございます。
ミドリハコベとコハコベの、背の高さ以外の具体的な見分け方を教えて戴き、有り難うございます。
しかしなかなかハッキリとしない、どっちつかずの個体も多いのですね。
今までルーペを持ち歩く事がなかったのですが、これからは1つカメラバックのポケットに忍ばせておこうと思います。
コメントを頂き、有り難うございます。
ミドリハコベとコハコベの、背の高さ以外の具体的な見分け方を教えて戴き、有り難うございます。
しかしなかなかハッキリとしない、どっちつかずの個体も多いのですね。
今までルーペを持ち歩く事がなかったのですが、これからは1つカメラバックのポケットに忍ばせておこうと思います。
回答日2018年03月17日
回答