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末次博士の新種発見記

第2回 世界で屋久島にだけ。新種「ヤクシマソウ」の発見

2017-10-10

植物を定義づける重要な特徴として「葉緑素をもち、光合成を行う」ことが挙げられます。しかし、植物の中には光合成をやめて、キノコやカビの菌糸を根に取り込み、それを消化して生育するものが存在します。こういった植物は、かつては「腐生植物」と呼ばれており、この言葉を耳にした方も多いのではないでしょうか。

しかし彼らは、腐った有機物、例えば死体などから養分を得ているわけではありません。「腐生植物」という名称は、生物の死体を分解して暮らすという誤解に基づいて命名されたもので、実体に即しているとはいえません。最近では「腐生植物」が菌に寄生して生きていることをご存知の方も増えてきた気がします。しかしながら、菌に寄生することを知っている方からも、実際に「腐生生活」を営んでいるのは菌類で、その菌類から養分をとっているのですよね」という言葉をよく耳にします。しかし、寄生されるカビやキノコは、森の落ち葉や枯れ枝を栄養源とするものだけではなく、生きた樹木と共生して、光合成産物をもらっているものも存在します。私自身も、「腐生植物」という言葉がもつ、怪しい雰囲気は大好きなのですが、心を鬼にして実態に即した「菌寄生植物」、あるいは「菌従属栄養植物」という表現が正しい表現だと声を大にして言いたいと思います。

 さて前置きが長くなりました。今回は、屋久島で発見された光合成をやめた植物である「ヤクシマソウ」を紹介し、その発見の意義を考えてみたいと思います。

 

*続きは有料コース会員のみ参照可能です。

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