専門家の回答
小林先生(長池公園)
小林先生(長池公園副園長)から回答がありましたので、掲載します(事務局)
***
種名
オリエンタル・ハイブリッドの一品種
確からしさ
★★★
識別ポイント
花と葉の形態
参考図鑑
日本のユリ(誠文堂新光社)、日本花名鑑1~4(アボック社)ほか
コメント
写真の植物は、ご推察のとおり園芸品種のユリです。
パッと見の外観は、日本の山野に自生するヤマユリや島嶼などで見られるサクユリとよく似ていますが、それらとは花の大きさと模様、葉の幅や厚みなどが異なります。
おそらく、ヤマユリなど東アジア産種から育成した交雑品種群である『オリエンタル・ハイブリッド(オリエンタル・グループ)』の一品種でしょう。
純白(花に斑点は無く、白い突起がある)で大輪の花を咲かせる品種としては、“カサ・ブランカ”や“シンプロン(スーパーカサ・ブランカ)”が有名ですが、これらの品種は複数の花を横向きか斜め下向きに付けるのが特徴ですので、写真のように真上を向いている点からして、“シベリア”、“アステリアン”、“クリスタルブランカ”のいずれかである可能性が高いと思われます。
欧米で多様に生み出されてきた『オリエンタル・ハイブリッド』のルーツには、日本のヤマユリやカノコユリが大きく関与しています。
これらの園芸品種が山野に地植えされたり野生化したりしている姿を見ると、不自然さを感じずにはいられませんが、言ってみれば逆輸入のような状態なのですね。
私のフィールドには、ヤマユリが群生している箇所があり、周囲の草を選択的に刈り取って保護しているのですが、中には、これを掘り取ったり、花茎の先だけを切り取って持ち去るマナーの無い方がいます。
それだけならまだしも、ヤマユリを掘り取った箇所に、持参した『オリエンタル・ハイブリッド』のユリを植え込んでいくという出来事がありました。開花して初めて気が付いたものです。
当人にとっては罪滅ぼしのつもりだったのかもしれませんが、ヤマユリとの間に自然交雑を引き起こし、純血のヤマユリが損なわれる恐れすらあり、盗掘以上に影響力の大きな行為です。
野生ユリの群生地内で、もしも今回のような園芸品種のユリを見かけた際には、こうした可能性があることも考慮した上で、対応策を考えてみて下さい。
***
種名
オリエンタル・ハイブリッドの一品種
確からしさ
★★★
識別ポイント
花と葉の形態
参考図鑑
日本のユリ(誠文堂新光社)、日本花名鑑1~4(アボック社)ほか
コメント
写真の植物は、ご推察のとおり園芸品種のユリです。
パッと見の外観は、日本の山野に自生するヤマユリや島嶼などで見られるサクユリとよく似ていますが、それらとは花の大きさと模様、葉の幅や厚みなどが異なります。
おそらく、ヤマユリなど東アジア産種から育成した交雑品種群である『オリエンタル・ハイブリッド(オリエンタル・グループ)』の一品種でしょう。
純白(花に斑点は無く、白い突起がある)で大輪の花を咲かせる品種としては、“カサ・ブランカ”や“シンプロン(スーパーカサ・ブランカ)”が有名ですが、これらの品種は複数の花を横向きか斜め下向きに付けるのが特徴ですので、写真のように真上を向いている点からして、“シベリア”、“アステリアン”、“クリスタルブランカ”のいずれかである可能性が高いと思われます。
欧米で多様に生み出されてきた『オリエンタル・ハイブリッド』のルーツには、日本のヤマユリやカノコユリが大きく関与しています。
これらの園芸品種が山野に地植えされたり野生化したりしている姿を見ると、不自然さを感じずにはいられませんが、言ってみれば逆輸入のような状態なのですね。
私のフィールドには、ヤマユリが群生している箇所があり、周囲の草を選択的に刈り取って保護しているのですが、中には、これを掘り取ったり、花茎の先だけを切り取って持ち去るマナーの無い方がいます。
それだけならまだしも、ヤマユリを掘り取った箇所に、持参した『オリエンタル・ハイブリッド』のユリを植え込んでいくという出来事がありました。開花して初めて気が付いたものです。
当人にとっては罪滅ぼしのつもりだったのかもしれませんが、ヤマユリとの間に自然交雑を引き起こし、純血のヤマユリが損なわれる恐れすらあり、盗掘以上に影響力の大きな行為です。
野生ユリの群生地内で、もしも今回のような園芸品種のユリを見かけた際には、こうした可能性があることも考慮した上で、対応策を考えてみて下さい。
回答日2018年09月01日
tanaemi
ご回答いただきありがとうございました。今後の対応策を検討したいと思います。
回答日2018年09月02日
回答