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「類」がわかればもっとスミレが識別できる!日本のスミレ 類 早見表

2018-04-06

関連コラム:スミレの属内分類と日本のスミレ 類 早見表について

はじめに

 日本のスミレ属は約60種類。たった60種類、されど60種類。図鑑を使う基本テクニック「総ページめくり」でも、同じ仲間の微妙な違いを複合的に識別しなくてはいけないので、ページをめくっていくだけでは何がなんだか分からなくなります。そのため、まず属を「類*1」に分けるのがおすすめで、そうすると種がぐっと絞られ、同定の近道となります。

 この冊子では『山溪ハンディ図鑑 増補改訂日本のスミレ』のp.2「類への検索表」を初心者にも使いやすいように再編集して一覧表にしました。ただし、分かりやすくするために、例外的な形のものを省いてあるので、あくまでも総合判断の目安として使ってください。

 一覧表を活用して、①キスミレ類、②キバナノコマノツメ類、③ニョイスミレ類、④タチツボスミレ類、⑤イブキスミレ類、⑥ニオイスミレ類、⑦スミレサイシン類、⑧ウスバスミレ類、⑨ミヤマスミレ類の9つの類*2に分ければ、あとはひとつひとつ図鑑をチェックしていけば種にたどり着きます。この一覧表を活用すれば、自然とスミレ属全体の識別力が向上するはずです。

*1 『改訂新版 日本の野生植物』(平凡社)では「節」となっています。
*2  ここでは、分布が限定されている「シレトコスミレ類」「オオバタチツボスミレ類」「ツクシスミレ類」「ウラジロスミレ類」は取り扱いません。

 

早見表の使い方

 早見表は一行目の「花の色」から順に行の下へとチェックします。花色は、黄色と白を除けば、まずは紫系の色は一旦すべて可能性ありと考えてもいいでしょう。「花の色」の次は「花の大きさ」です。花の大きさはイメージがつきやすいように硬貨で表現しました。次に「葉の形」で絞って、そのまま「托葉」と「地上茎」をチェックします。明らかに違うものは×を打ち、そうやって該当するものをチェックしていけば、「類」が絞られます。柱頭もデジカメのマクロモードで撮影すれば、花を破壊しなくてもある程度分かります。この上から下へのチェックの流れを習慣づければ、スミレの識別力が向上します。

初心者にも類がわかる!スミレ類早見表
①花の色と大きさをチェック。「紫色で一円玉ぐらい」

 
初心者にも類がわかる!スミレ類早見表
②葉の形を見る。「心形」

 

初心者にも類がわかる!スミレ類早見表
③葉を見たらそのまま「托葉」をチェック。「櫛状」で茎の途中にあるので「地上茎」あり

 

 
④柱頭もデジカメで撮影すれば(老眼でも…)ある程度観察できる。「ほぼまっすぐ」

 


⑤表を上の行から下に、該当するかどうかをチェックして進めていく。

*有料会員の皆様には印刷用の画像を用意しましたのでご活用ください。

 

 

スミレ 類 早見表
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