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アザミ学事始め

第1回 アザミはどのような植物群なのか?

2017-11-24

なぜアザミか

 日本の陸上植物には約7500種が知られている(加藤・海老原(編)、日本の固有植物、東海大学出版会、2011)。そのなかには、いわゆる分類が難しいといわれる植物群が含まれている。それらは、スミレ、スゲ、テンナンショウ、トリカブト、そしてアザミなどの植物である。これらの植物は、どのグループに所属するかは容易に把握できるのだが、さらに進んで種を同定することが難しいのである。例えば、左右相称の独特の花を咲かせるので、スミレの仲間であることは良く判るのだが、種数が多く識別点も微妙なので、何スミレなのかが分からない、という状況である。こうしたグループに共通した特徴は、当該の植物群に、遺存的な起源の古いものと、今まさに分化(進化)を遂げつつある新しいものの双方が含まれていることである。とくに、日本列島で地理的な分化が起こりつつあると、地域によってさまざまな種類の植物が新しく生まれ、種類の区別が判然としないようなものが出現することになる。ここでは、上記の植物群のうち、著者が現在も継続的に研究を行っているアザミ属(キク科)を対象として、属内の複雑な関係、そして種間の関係を解きほぐしいくことを通じて、多様性の中身を解説してみたい。

 

 *続きは有料コース会員のみ参照可能です。

 

 

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