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アザミ学事始め

第7回 キタカミアザミとその仲間たち

2018-06-05
「アザミ学事始」も後半に入ることになった。これ以降は本州、四国、九州の低山から平地に分布する種群を取り上げることにしたい。「その7」はキタカミアザミ群、すなわち、花期に根生葉が生存せず、中型の頭花を直立させて咲かせる種群で、タイプ6で表現することができる。さらに、「アザミ学事始 その4」で扱ったオニアザミ群に関して、最近になって新たな知見が得られたのでそれを紹介したい。 

 

アザミアイコン6
タイプ6

1.キタカミアザミとナンブアザミ、その学名

キタカミアザミの学名はCirsium nipponicum (Maxim.) Makinoである。この学名を見て、あれ!? と思われる方は多いのではないだろうか? なぜなら、この学名はかなり長い間、別種のナンブアザミ(頭花は点頭して、下向きに咲く;図1)に当てられてきたものだからだ。また、東北地方に最も普通に出現するナンブアザミにとっても、その学名を変更しなくてはならないことになるので、事態は深刻である。そこで、先ず始めに、キタカミアザミの学名の問題を取り上げることにする。

 


図1 ナンブアザミの全体と頭花。ナンブアザミは東北地方で普通に見られるアザミで、茎葉は鋸歯縁〜羽状中裂。頭花は必ず点頭して、下向きに咲く。宮城県仙台市。

 

 

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