シンプルな構成で羽衣などの写真も充分。箇条書きスタイルの解説と合わせて、初心者が頑張って使うにも上級者の確認用にも最適な一冊です。
例えば、メダイチドリのページを見てみましょう。この種は、1ページでゆったりと紹介されています。
まず、「メダイチドリ」という和名の左に◎マークがついていて、ふつうに見られる種類とすぐに分かります。
一方、類似種の筆頭オオメダイチドリは隣のページにあって、◇マークがついています。これは、多少見られる地域が限られている種類の表示です。種数が多く載っている図鑑では、地域限定ものやレア種がごちゃごちゃ...というか並列して載っているので、余計なものまで見比べてしまうこと多くてめんどうですが、この表示を使えば、サクサクと種を絞ることができます。
解説は文章と言うよりは箇条書きになっており、端的ですっきりしています。類似種との識別点に関しても同様で、メダイチドリではオオメダイチドリとシロチドリ冬羽も挙げられ、これもシンプルで分かりやすい表記になっています。
メダイチドリの使用写真は4点。「オスの夏羽」「冬羽」「幼羽」「冬羽の飛翔姿」です。写真サイズも他の図鑑と比べると比較的大きく、キャプションの情報量も充分。
この図鑑は、本当に「読む図鑑」ではなく「使う図鑑」として考えられています。図鑑jp的には複数図鑑の閲覧がポイントだったりしますが、じつは一冊の図鑑とじっくり向き合うのも上級者へも道のひとつかもしれません。