第1回カエル 意外と難しいアオガエル2種の識別
相模原市立博物館の学芸員で、日本自然保護協会の自然観察指導員講師でもある秋山幸也さんのコラムです。図鑑を見ているだけでは意外と分からないこと、自然観察会のネタになるようはお話しを毎月お届けします。
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図鑑をパラパラとめくっていると、「いったいこれはどうやって見分けるのだろう?」と唸ってしまうようなよく似た種類が並んでいたりします。実際に見てみると意外に簡単に見分けられることもあるし、余計に迷ってしまうこともあります。今回は、そんな似たもの同士ばかりのアオガエルのなかまを取り上げてみたいと思います。
全国のアオガエル
日本では、北海道を除いて全国に「アオガエル」と呼ばれるカエルが生息しています。南は八重山諸島のヤエヤマアオガエル、沖縄本島周辺にオキナワアオガエル、奄美諸島にはアマミアオガエル、九州から本州にはシュレーゲルアオガエル、そして本州の日本海側にやや偏った分布をしているのが、モリアオガエルです。正直言って、南西諸島の3種であるヤエヤマ、オキナワ、アマミ(オキナワとアマミは亜種関係)が目の前に並んでいたら、識別できる自信がありません。外見よりも「どこにいたか」が最大の識別ポイントと言えるでしょう。これらの3種の分布域が重ならないために、そんな乱暴な識別ができるのです。
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